2012年12月29日土曜日

八王子市がれき焼却・12月2日の再質問に対する市長からの回答と問題点


八王子市からの回答(↓下方に掲載)に対する意見

八王子市長殿

ご回答ありがとうございました。
これまでの質問と回答において、市民の健康を優先することなく、国の方針通り従うという表明だけで、論理的に破綻していると考えられる点が多々ありましたことは、大変残念に思っております。が、ここでは、前回の回答だけについて、もう一度整理すると、以下のような結論になると認識しております。

ダイアモンドオンラインに、「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能 拡大する管理なき被曝労働」という記事が載り、目に見える形で、焼却灰がバグフィルターを通過していることが明らかにされたことについての質問について、付着物がないとの回答があったため、いつ定期点検するかで付着物の有無は一概に言えないと指摘したところ、「消音機の定期点検はしていない。誘引通風機内の付着物の状況しか確認していない。(消音機への付着物の有無は不明)」ということがわかりました。つまり、八王子戸吹清掃工場でも、排ガスの消音機に、バグフィルターを通過した焼却灰が付着していることはありうると言う事になります。
また、焼却時に排ガスの放射線量を測定するのは意味がないと指摘したことに関しては、放射性物質濃度を測定するという説明に変更になりました。しかし、本当に必要なのは、この濃度に排ガスの総体積を乗じた放射性物質総量です。

そこで、他焼却場の例から推定すると、日300トンの焼却炉の排ガスは、おおむね10万㎥/時であることから、引き受けがれき500トンを10倍に薄めで焼却するとして、焼却量5000トン、焼却日数は5000トン/300トンで、17日。排ガス総量は、10万×24時間×17日で、4080万㎥ということになります。排ガスの濃度測定限界が2Bq/N㎥ですから、もし不検出であっても、最大8160万ベクレルの放射性物質が周辺の住宅地にばら撒かれることになります。この放射性物質は、排気塔から均一に拡散することはなく、季節風にのって、南側の一定範囲に集中的に降りかかることになります。直接、これを呼気等によって吸入すれば、内部被爆による被害が発生する可能性があります。このように、、八王子市長が、一方的に市民に被曝させることは許されるものではありません。

放射性セシウムが僅かでも体内に取り込まれると様々な障害が生じることは、ベラルーシでのバンダジェフスキー博士の研究などによっても明らかにされている通りです。最近では、茨城県において、小中学生に2011年以降、それ以前に比べて、心電図異常が急増しているという事実も明らかになりました。八王子市におけるがれき受け入れは、将来に禍根を残すことなく、もう一度再考されるよう、強く要望する次第です。



                                       平成24 年12 月28 日
〇〇 〇〇 様

                                       八王子市長 石森 孝志
いただいたメールの回答について
平成24年12月2日のメールでいただきましたご質問の内容について、下記のとおり回答します。
                       記

1.消音器の点検清掃等について
消音器は構造上簡単に取り外しができませんので、定期点検・清掃は行っておりません。したがって、消音器の手前の定期点検等を行っているクリーンルーム及び誘引通風機内の付着物の状況を説明させていただきました。

2.排ガスの放射能濃度の測定方法と検出限界について
排ガスの放射線量の測定は、環境省の「廃棄物関係ガイドライン 第五部放射能濃度等測定方法ガイドライン」に準拠し測定しています。検出限界は2Bq/N㎥です。

3.排ガスの放射線量の測定について
ご指摘のとおり、前回回答での「放射線量の測定を行い」は、「排ガスの放射能濃度の測定を行い」の誤りでした。訂正させていただきます。



《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
電話 042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp

2012年12月19日水曜日

豪の医師ヘレン・カルディコットさん講演(徳島新聞より)


【福島第一原発事故の影響】
 放射能被害についての世界的権威として知られるオーストラリアの医師ヘレン・カルディコットさんによる講演会「ヘレン・カルディコット博士日本公演 with 木下黄太」が、徳島市のあわぎんホールで開かれた。カルディコットさんは、福島第一原発事故を受けて「原子力事故には終わりがない。食べ物は汚染され続ける」などと、日本の放射能の現状や危険性について話した。吉野川鴨島町出身の木下黄太さんが司会を務めた。(須見千次郎)

【遺伝性疾患 増える恐れ】
 私は、小児科医で、特別な遺伝性疾患が専門。福島第一原発や旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発の事故による放射能が環境を汚染することで、遺伝性疾患は増えていく。このことが一番重要だ。

 新か生物学者のティム・ムソ―教授(米国サウスカロライナ大学)が、福島とチェルノブイリの立ち入り禁止区域内に生息する鳥や昆虫類の研究をしている。その中で、普通より小さな脳を持つ鳥たちを発見。多くの雄の鳥は生殖できないこと、くちばしやしっぽが変な形になっていることも見つけた。

 放射能汚染によるがんの潜伏期間は大変長く、5年から80年とされる。これは広島と長崎の被爆者のデータから分かっている。原爆はおとされて5年後に白血病が増え始めた。乳がんや甲状腺がんといった固形がんは15年くらいから増え始めた。それぞれのがんで潜伏期間は異なる。被爆者の間では現在、骨髄がんや腎臓がんなどが起こっている。

 米国政府は被爆者を実験材料として扱い、研究のデータを取っただけで治療はしなかった。被爆者は日本政府からもきちんとした資料を受けることができなかった。

 人間の細胞の中には染色体があり、そこに遺伝子が含まれている。一つ一つの細胞に調節遺伝子があり、放射能が細胞に当った場合、調節遺伝子やDNAを損傷する。しかし、遺伝子が損傷を受けたことはまったく分からない。

 卵子と精子が放射能で損傷を受けると、その中の遺伝子も損傷を受ける。遺伝子の損傷が世代から世代へと受け継がれていくことになる。放射能は見えない静かな殺人鬼だ。

 福島第一原発事故で汚染されたコメを食べたら、消化器の中から吸収されて、セシウムが脳や甲状腺、膵臓に蓄積される。ものすごい量の放射能が太平洋に放出されたため、海中に落ちた放射能は小魚や藻に摂取され、それを食べる魚に蓄積されていく。汚染された魚は遠い所まで泳ぐため、原発事故は世界的に影響を及ぼす。

 政府は食べ物にふくまれる放射性物質の基準値を定めた。でも買い物に行ったときに、食べ物にどのくらい放射能が入っているか分かるだろうか。

 福島第一原発事故は、メルトダウンを3回起こした。今までの原子力の歴史において聞いたことがないような大事故だ。懸念しているのは、福島の子どもたちがチェルノブイリよりも高線量の被ばくをしているのではないかということ。子どもは放射能に対する感受性が大人の10倍から20倍高い。胎児と成人を比べると胎児の方が何千倍も感受性が高い。
 
【食べ物は汚染され続ける】
 原子力事故には終わりがない。放射能で汚染された食べ物を取ると、体内のいろんな臓器に蓄積され、なかなか排泄されないからだ。これから先も、食べ物は汚染続けるだろう。

 人々のパワーは原子力産業のパワーより強い。子どものため、福島の現状を政治家に訴え続けて欲しい。


2012年12月2日日曜日

八王子がれき焼却 市長への質問その後


前回までの質問に対する回答を受け取り、八王子市長が、自分の説明が論理破綻しようがどうしようが、とにかく問答無用で焼却するんだということしか言わない、上から下りてくる命令に従うだけの、サラリーマン公務員と同じ姿勢であることが、よくわかりました。市民の健康・生命を優先し、言うべきことを言い、やるべきことをやるということが出来ない、自治体の長としてまったく無能な人であることが分かりました。
その直後、ダイアモンドオンラインに、「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能拡大する管理な き被曝労働」という記事が載り、目に見える形で、焼却灰がバグフィルターを通過していることが明らかにされたため、以下のような質問を行いました。それに対する回答と併せて掲載します。


八王子市長殿

 バグフィルターの放射性物質除去効果につきまして、以下のようなあらたな事実が明らかになりましたのお知らせするとともに、前回までのバグフィルターによる放射性物質の除去に関する市としての見解の再検討をお願い致します。


Diamondonine 「環境汚染大国ニッポン 焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能拡大する管理な           き被曝労働(1)」
http://megalodon.jp/2012-1202-0053-05/diamond.jp/articles/-/26833(ウェッブ魚拓)
http://megalodon.jp/2012-1202-0058-07/diamond.jp/articles/-/26833?page=2
http://megalodon.jp/2012-1202-0058-44/diamond.jp/articles/-/26833?page=3
http://megalodon.jp/2012-1202-0059-29/diamond.jp/articles/-/26833?page=4





                                        平成24 年11 月22 日
〇○ 〇○ 様
                                        八王子市長 石森 孝志

いただいたメールの回答について

平成24年10月10日のメールでご指摘をいただきました「790MBq/k㎡という値(東京都測定)」については確認することはできませんでした。(⇐ これに関しては、当方の書き間違いで、790ではなく、790×65=51350MBq/k㎡でした。)

また、同月28日のメールでいただきましたバグフィルターの放射性物質除去効果と市の再検討ですが、本市の戸吹清掃工場でも、バグフィルター設備と煙突の間の煙道に消音器を設置しています。排ガスはバグフィルターのろ布を通った後、反応ろ過集じん装置上部のクリーンルームと誘引通風機を経て消音器に流れていきますが、戸吹清掃工場では手前のクリーンルーム及び誘引通風機内に付着物がないことを確認しており、最終的に外部に排出される煙突の排煙口手前で行っている排ガスの放射能濃度測定結果においても全て不検出となっています。
バグフィルターによる放射性物質の除去効果については、国の見解のとおりで市の方針は変わりありませんが、引き続き排ガスの放射線量の測定を行い、結果をホームページで公表してまいりますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
電話 042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp


これに対して以下のようにさらに質問をしました。


八王子市長殿

ご回答ありがとうございました。

ご回答中の
「平成24年10月10日のメールでご指摘をいただきました「790MBq/k㎡という値(東京都測定)」については確認することはできませんでした。」

⇒これに関しましては、当方の書き間違いで、790ではなく、790×65=51350MBq/k㎡でした。これは、放射線管理区域に相当する汚染であります。
訂正させて頂きます。

また、戸吹清掃工場で、消音機への付着がないとのことですが、使用時間との関係でなんとも言えないことではないでしょうか?点検清掃が必要になるまで長時間使用した後でも、付着が無いということなのでしょうか?

排ガスの放射能濃度測定結果においても全て不検出とのことですが、濃度測定の方法、検出限界はどのようになっているのでしょうか?

引き続き排ガスの放射線量の測定をするとのことですが、線量ではなく、「放射性物質濃度×排出ガス体積」を測定しなければ意味がありません。薄めて燃やせば濃度はいくらでも低くなりますが、排出される放射性物質量に変化はありません。セシウム137であれば、放射線がほとんど消えるまで300年を要します。焼却したがれきに含まれる放射性物質総量は、必ず放出され一定の範囲に降下します。まして、ガスや大気の線量を測って安全を論ずるなどということは、論外です。

以上、ご見解をよろしくお願い申し上げます。

                                       平成24年12月1日